天童市美術館「吉野石膏コレクション」

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一通り聞いてから「なぜこの美術館に吉野石膏コレクションがあることになったのですか?」とお訊ねした。すぐ答えが返ってきた。「南陽市に美術館がなかったからです。」この答えのあまりの単純さにヘナヘナとなった。そういうことだったんだ。「当時山形美術館が県立美術館の役割を果たしており、永一郎氏の考えでは山形美術館に洋画と日本画両方寄託したいと考えられた。ところが山形美術館としては、印象派に特化した形で美術館としての特徴を打ち出したいという考えがあって、日本画の行き場がなくなってしまった。そこで当時公立美術館は当館だけだったのでここに収まることになった。もし永一郎社長が存命のうちに南陽で美術館を建てると言ったら、そっくり南陽に移っていたと思う」! 池田館長の言葉は重かった。
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現在年間入館者は2万人ぐらいで横ばい状態。しかし最近ようやく知れ渡ってきて、各地から貸し出しの要望が来るようになっているという。10点から出発して今は258点、その価値は計り知れない。また行って池田館長の説明を聞きたい。

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